人間関係、うまくいかない、めんどくさい…
そんな風に思うことがありませんか?
私も昔から人見知りな性格だったので、人間関係はとても苦手でした。
でも、カウンセラーとして活動するようになってから、人間関係がうまくいかない理由は、「距離感」にあることを発見しました。そのことを発見してからは、人間関係を作るために、右往左往することがなくなりました。
今回は、カウンセラーとして培った経験から、人間関係がうまくいかない人が知らない常識のウソと、誰でも人間関係がうまくいくコツをお伝えしようと思います。
人間関係がうまくいかない人が知らない常識のウソ
人間関係がうまくいかないと悩む人は、実は人間関係を作る上で、大きな勘違いをしていることがあります。それは、いきなり相手との距離を詰めようとすることです。
「良い人間関係を築くためには、お互いのことを良く知ることが大事。だから、相手にたくさん質問したり 自分の個人情報を積極的に話したり、頑張って親しげな態度で接してみたり…」
確かに一般的には、他人と仲良くなるためには、肩ひじを張らない態度をとったり、個人情報を伝えたりすることが有効だと言われています。
でも、この方法は、やり方を間違えると、かえって逆効果です。
人は親しくない人に、いきなり近づかれると不快に感じるようになっています。これは、単純に相手の態度を失礼に感じることもありますが、人は「知らない」ということに不快さを覚える性質があるからです。
人がまだ動物として、自然の中で生活していたとき、「何が起こるかわからない」ということは、生死にかかわる問題でした。例えば、どんな動物がいるのかもわからない森の中に、何の警戒もせずに入っていってしまったら、虎や熊に襲われるかもしれません。だから、「知らない」ということに、人は不安を覚えます。そして、自分の身を守ろうとします。
人間関係を作るときも同じです。よく知りもしない人に、いきなり近づいてこられたら、相手は不安を感じて、自分の身を守ろうとします。ひと言で言ってしまえば、相手から本能的に危険だと思わるのです。相手に警戒されたら、良い関係を作ることはできませんよね。
人間関係がうまくいかない人は、相手と良い関係を作りたいと思うあまり、必要以上に相手の個人情報を尋ねたり、いきなり昔からの友だちであるかのような態度をとったりと、相手との関係性を考えずに近づきすぎるのです。だから、かえって相手との関係がうまくいかないのです。まずは、相手との距離感が適切であるのか、そのことを考えてみましょう。それだけで、人間関係は大きく変わるると思います。
誰でも人間関係がうまくいくコツ
人間関係を作るときのコツは、相手との距離感に合わせた対応をすることです。
そのためには、相手とどのくらい親密な人間関係を築けているのかを測る必要があります。その目安となるのは、相手と共有した時間と情報です。
共有した時間は、話をしたり、何かの活動したりと、一緒に過ごした時間の多さです。共有した時間は多いほど、親密さは上昇します。これは人間は接触回数が多いほど、その対象に対して、親近感を覚えるという性質があるからです。
共有した情報には、家族のことや内的な悩みなど、話す人を選ぶプライベートな情報と、仕事や世間で話題となっていることなど、誰に話しても問題のないパブリックな情報のふたつがあります。共有した情報は、プライベートな要素が多いほど、親密さは上昇します。これは人には相手の個人情報を知ると、親密さを感じるという性質があるからです。
時間と情報による人間関係を図にすると次のようになります。

① 図の右上の領域 : 親密な領域
共有した時間が多く、共有した情報はプライベートなものが多い場合です。
一般的には、友人や家族、会社の同僚やご近所さんなどの中でも個人的に付き合いがある親しい人などが、この領域に含まれます。
この領域の人とは、親密な関係を築けていると思って良いでしょう。
そのため、冗談を言ったり、個人的な頼みごとをしたり、砕けた態度をとったりしても大丈夫でしょう。
② 図の右下の領域 : 親密と誤解する領域
共有した時間は多いけれど、共有した情報はパブリックなものが多い場合です。
一般的には、会社の同僚やご近所さん、子供の学校のPTA仲間などが、この領域に含まれます。
この領域の人とは、共有する時間が多いので相手と親密な関係が築けていると誤解することがあります。でも、実は相手はこちらのことをあまり親しく思っていないことが多々あります。
そのため、個人的な話をしすぎたり、砕けすぎた態度をとりすぎないように注意することが大切です。一歩引いて、少し気を遣うくらいの態度で、相手の様子を見る方が望ましいでしょう。
③ 図の左上の領域 : 一般社会ではありえない領域
共有した時間が少ないけれど、共有した情報にプライベートな情報が多く含まれる場合です。
この領域は、カウンセラーとクライアントの関係や医師と患者の関係など、特殊な関係が含まれます。
一般的社会でこの領域の関係性を築くことは、ほぼないと思ってい良いでしょう。
④ 図の左下の領域 : 初対面
共有した時間が少なく、共有した情報はパブリックな情報が多く含まれる場合です。
一般的には、初対面の人や仕事取引先などが含まれます。この領域の人は、まったく親しくないと思って間違いありません。
そのため、世間話などの当たり障りのない話題を選んだり、礼儀正しい言葉を選ぶなど、十分な配慮が必要でしょう。
人間関係は、通常、④→②→①の順で深まっていきます。
人間関係をうまく作れない人の多くは、④や②のあまり相手と親しくなれていない段階で、①の親しい人間に接するような態度をとってしまうために、人間関係がうまくいかなくなってしまうのです。
まずは、相手と共有した時間と情報を振り返りってみましょう。
そして、相手と自分の関係性が図の4つの領域のうち、どこにあるのかを見極め、相手にあった態度で接するようにしましょう。そうすれば、人間関係がうまくいかないと悩むことはなくなります。これが人間関係を作るときのコツです。
もし、どうしても相手との距離感がわからない場合は、初対面の人と同じくらい丁寧な態度をとることをおすすめします。なせなら、丁寧な態度で接すれば、少なくとも相手を不快にさせることはないからです。
人間関係に油断は禁物
人間関係がうまく作れたと思っても、油断してはいけないのが、人間関係です。なぜなら、相手と親しくなるためには多くの時間と労力が必要ですが、それを失うのは一瞬だからです。
では、せっかく作り上げた人間関係をダメにしてしまうものとは、なんでしょうか?
それは、相手に対する慢心です。
友達だから、このくらいは許してくれるだろう。
子供は、親の言うことに従うのが当然だろう。
部下だから、多少のことは我慢して当然だろう。
長い付き合いだから、言わなくてもわかってくれるだろう。
そんな勝手な思い込みが、知らないうちに相手を不快にさせたり、傷つけたりします。結果として、親しいと思っていた人から三下り半を突き付けられる、なんてことにも。
人間関係が親密であっても、相手はあなたとは違う一個の人間です。そのことを忘れてしまうと、良質な人間関係を維持することはできません。だから「相手に嫌な思いをさせていないだろうか?」と、ときどき、自分に問いかける癖をつけましょう。もし、忘れてしまいそうなら、毎晩、今日会った人の顔を思い浮かべて、「嫌な思いをさせなかっただろうか?」と想像してみたら良いでしょう。それだけで、良い人間関係を維持することができると思います。
おわりに
今回は人間関係がうまくいかない人が知らない常識のウソと、誰でも人間関係がうまくいくコツをお話しました。
人間関係は常に変化していきます。だから、相手をよく見て、相手にあった接し方をすることが、とても大切です。
ぜひ、図を参考に、身近な人からその人との関係性を見直してみてください。
きっと今よりも良い人間関係が築けると思います。
