嫌な記憶から解放されるには~人生成功秘伝の書37~

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嫌な記憶から解放されるには

 記憶は自分が作り出した幻であると言うと、「そうは言っても、嫌な記憶が頭のなかをぐるぐるして、どうにもならない」と嘆く人がいます。そこで、嫌な記憶について少しお話をしましょう。

 そもそも嫌な記憶とは、どんな記憶でしょうか?

 それは、不安や恐怖、怒りなど、自分が嫌だと思った感情とセットになっている記憶のことです。

 嫌な感情を伴った記憶が何度も蘇ってくるのは、実は当たり前のことなのです。なぜなら、嫌な感情を伴った記憶は、人間の生存に必要な情報だからです。

 嫌な感情、例えば怒りや恐怖などが発生するのは、外敵に襲われて戦わなければならないときや、自分の生存が危なくなったときです。

 言い方を変えれば、嫌な感情を伴う記憶は、生命の危機に瀕したときの記憶ということになります。

 脳の最優先事項は、自分という個体を生き長らえさせることですから、この嫌な記憶をしっかりと保存することで、次の生命の危機に備えるのです。だから、嫌な記憶が、勝手に思い出されるのは、当然のことなのです。

 では、嫌な記憶はずっと消えないのかというと、そんなことはありません。

 嫌な記憶が思い出されるのは、不快な感情を伴っていることが理由です。だから、記憶を蘇らせるトリガーとなっている嫌な感情を消化してしまえば、記憶を蘇らなくなります。

 嫌な感情を消化する方法は、嫌な感情を伴う記憶が蘇ってきたとき、その嫌な感情を「そうなんだ」と認めることです。

 感情を認めるときのコツは二つあります。

 一つは、感情を感じるときには、身体の感覚を含めて感じることです。

 体温が高くなる、息苦しい、喉が詰まるなどの身体感覚を感じたら、「そうなんだな」とその感覚も一緒に認めるのです。

 人間には思考する力と感じる力の二つがあります。この二つの力は同時に使うことができません。思考する力が優位になっているときは感じる力が鈍くなり、感じる力が優位になっているときは、思考する力が鈍くなります。

 だから、嫌な感情を感じたとき、思考をすることで、嫌な感情を鈍らせることを、人間は頻繁に行います。

 例えば、大好きな恋人と別れて悲しいとき

「どうせ、こっちから分かれるつもりだったし。この前の誕生日プレゼントだって、センス悪かったし。デートの話題も自分の趣味の話ばっかりでつまらないし。この先、付き合ってたって、きっと面白くないだろうし。こっちから別れるって言う手間が省けて良かったのよ」

 そんな風にあれこれ考えて、悲しみを感じることを回避するようにです。

 もし、ぴんと来なければ、実際に試してみてください。

 例えば、美味しいラーメンを食べて感動しているとき、「この麺の材料の小麦の産地はどこか、スープに使われている材料は何か、なぜ具材はこの種類なのか」など、あれこれ考えてみてください。

 「おお!!なんて、美味しいんだ!!」という驚きや感動は、あっという間に薄れていくはずです。

 理論的な思考をすることで感情をやり過ごす癖が付いている人は、嫌な記憶を思い出したときも、思考でその感情を感じないように無意識に思考を使います。

 だから、自分が感じている不快な感情が何かが、分からなくなっていることがあります。

 しかし、頭ではわからなくなっていても、感情は身体の反応に現れます。

 例えば、怒りを感じたときに、体温が上がるのを知覚したことがないでしょうか。どんなに怒ってはダメだと自分に言い聞かせているときでも、体温が上がるという身体の反応は変えられないはずです。

 なぜなら、身体の反応は無意識が司っている部分が多いため、思考の制御が及ばない部分が多いためです。

 だから、自分の感情を知るには、身体の感覚を観察することがとても役に立つのです。

 もう一つのコツは、勝手に嫌な記憶が思い出される場合以外は、自分で意図的に思い出さないことです。

 よく心理療法のセミナーなどで、嫌な感情を消化するために、過去の記憶を思い出す作業をすることがあります。それ自体が悪いわけではありません。

 嫌な記憶を思い出して、再度、感情と向き合うことで「ああ、自分はこんな思いを持っていたのか」と、自分の本当の感情や感覚に行き当たり、気分が浄化されることもあります。これはカタルシス効果と呼ばれるもので、其方も聞いたことがあるかもしれません。

 しかし、脳の構造的に言うなら、嫌な記憶は、自然に思い出されるわけではないのなら、無理に思い出さない方が良いのです。

 なぜなら、脳神経は、使えば使うほど、強化されるからです。

 例えば、小学校で初めて九九を暗記したとき、最初は「3×3は?」と問われても、なかなか答えが出なかったと思います。しかし、何回も九九を唱えるうちに、「3×3は?」と訊かれると「9!」と条件反射のように答えられるようになったでしょう。これは、何度も繰り返し九九を覚えるうちに「3×3=9」という情報が格納された神経が強化され、すぐに記憶が思い出せるようになったからです。

 嫌な記憶も同じです。思い出せば、思い出すほど、その記憶を格納している場所の神経細胞が強化され、思い出しやすくなります。

 脳細胞には刈り込みという作用があり、使わない神経はどんどん消滅していきます。この刈り込みは、生後すぐの赤ん坊でも起こっています。

 よく嫌な記憶が消すことはできないと勘違いしている人がいますが、嫌な記憶であっても、その記憶を構成する脳神経の回路を使わなければ、やがては脳の刈り込みの作用により、嫌な記憶の回路が消滅していきます。

 そうすれば、嫌な記憶でも思い出さなくなるのです。

 だから、嫌な記憶は、自然に思い出されるわけではないのなら、無理に思い出して語る必要などはないのです。消えていくなら、消えていくに任せてよいのです。

 嫌な記憶への対処の話を聞いてどう思いましたか?嘘くさいと思いますか?それはそれで結構(笑)

ワーク26 嫌な記憶の話を聞いて、思ったことはありますか?また、あなた自身を振り返って、気付いたことはなんでしょうか?

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