仕事をしない人を放置すると、会社はゆっくり死んでいく

以前に勤めた、ある会計事務所の個人の確定申告での出来事。

その監査担当Aは、確定申告1週間前になっても、申告書がまったく仕上がってこない。
見かねた上司が、持っている案件の進捗状況を確認したところ、まったくの手つかずの案件がゴロゴロ。
さすがに危機感を覚えた上司が、他の監査担当も巻き込んで、Aの仕事を分担して終わらせた。

Aは「いや~、助かりました~」と言った。

1年目なら、まだ許されるだろう、それでも。
しかし、翌年も同じことが起きた。

その時もAは「助かりました~」とへらっと笑う始末。

さすがに周りの監査担当も「いい加減にしろよ」というのが本音のところ。

でも、そのAはペナルティが課されるわけでもなく、何事もなかったように職場にい続けた。

その時、思った。

「仕事しない人間を放置する会社は、ゆっくりと死んでいく」ということを。

成長の余地がない人を放置することの罪

誤解のないように言っておきたい。
未熟でも、成長する意志がある人なら、いくらでも応援する。

でも、「やる気がない」「成長する気がない」「自分は正しいと思い込む」…そんな人が職場に居座り、誰からも指摘されず、責任も問われないとしたら?

それは組織にとって、静かな毒だ。

「2:6:2の法則」が示す職場のリアル

仕事において「2:6:2の法則」がある。
上位2割が組織を牽引し、6割がそれに続き、下位2割が足を引っ張るという構図。

ここで怖いのは、下位2割を放置すると、上位2割のやる気が削がれること。
なぜなら、「頑張っても報われない」「やらない人のほうが得してる」という空気が蔓延するから。

実際、私が最初に紹介した会社では、まさにそれが起きた。
“仕事しない人”が放置され、主力の監査担当がバタバタ辞めた。
結果、監査担当が2年で3割減。
当然、売上を担う監査担当がいなくなるわけだから、売上だって現象の一途。

そのとき、私はこう思った。

「この会社、終わりに向かってるな」と。

マネジメントの“いい人”は、会社を殺す

優しさって、時に残酷だ。
「注意すると可哀想だから」「本人も悩んでるだろうし」
そんな“いい人マネジメント”が、実は真面目に働く人のモチベーションを下げてる。

人は不公平にとても敏感だ。
やってもやらなくても同じ扱いを受けるなら、やらないほうが得に思えてくる。
それが会社全体に伝染したとき、会社はもう、回らなくなる。

誰を育てて、誰にNOを出すか

「人を大切にする会社」と「誰でも受け入れる会社」は違う。

人を大切にするというのは、「ちゃんと育てる」「ちゃんと向き合う」「やる気がある人に報いる」ってことだ。
そして同時に、「やる気のない人」「変わる気がない人」に対しては、NOを出す勇気が必要だ。

あなたの会社は大丈夫か?

今、あなたの職場には“仕事しない人”が放置されていないだろうか?
頑張っている人が「自分ばかりが損をしてる」と感じていないだろうか?

大切なのは、“その人がいい人かどうか”じゃない。
“職場全体にどんな影響を与えているか”だ。

組織は、人でできている。
だからこそ、誰を育て、誰にブレーキをかけるかが、未来を分けるのだ。