ビジネスの本質とは? 〜価値提供による共創の世界〜

副業が大手の会社でも解禁され、最近では個人でビジネスを始める人も増えてきました。
でも、いざ、ビジネスを始めてみたものの、思うように商品が売れない…という声をよく耳にします。
そこで、今回は「ビジネスとは何か」についてお話ししたいと思います。

ビジネスは押し売りではない

 ビジネスを始めた最初のころは「売上を上げなければ」というプレッシャーから、つい商品やサービスを押し付けてしまいがちです。

 私もかつて営業職時代、「とにかく売らなければ」と必死になっていた時期がありました。

 しかし、本当のビジネスとは、お客様の課題や悩みを解決し、価値を提供することです。

 たとえば、美容師を例に考えてみましょう。

 お客さんはなぜお金を払ってまで、美容師に髪を切ってもらうのでしょうか?

 それは、美容師に髪を切ってもらうことによって、ある人は「自分に自信が持ちたい」のかもしれなし、ある人は「もっと可愛く見られたい」のもしれないし、ある人は「ファッションを楽しみたい」のかもしれません。

 つまり、美容師は単に「髪を切る」というサービスを提供しているわけではなく、髪を切るという行為を通して「自分に自信を持ちたい」「もっと可愛く見られたい」「ファッションを楽しみたい」などのお客様の願いを叶えているということなのです。

 そして、このお客様の願いを叶えることをビジネスの世界では「価値提供」といいます。

価値提供とは何か?

 価値提供とは、お客様の「困った」を「良かった」に変えることです。

 たとえば、ある人は子育て中のママ向けにオンラインヨガを提供していました。

 当初は「ヨガのレッスンを売る」という発想でした。その頃は生徒さんがなかなか集まらず、売上を上げることにとても苦労していました。

 でも、ある時、生徒さんに「なぜヨガに通ってくれているんですか?」と尋ねてみたのです。

 そうしたところ「育児で疲れた体をケアしたい」「自分の時間が欲しい」「出産前のスタイルに戻りたい」「きれいになりたい」という回答が返ってきました。
 そうです。生徒さんたちは、ヨガのレッスンが欲しかったわけではないのです。育児中の忙しい中でも、自分の心や身体を健康に美しく保つための「何か」が欲しかったのです。その「何か」と一致したのが、オンラインヨガだったのです。

 そこでサービスを「育児中でも参加できる、心と身体のリフレッシュタイム」として再構築したところ、申し込みが急増しました。

利益を得ることは善である

 ビジネスが少し軌道に乗って売上が上がってくると、「お金を稼ぐことに罪悪感がある」という方がいます。

 少なくない日本人は、善意で無料であることが素晴らしく、お金をもらうことは悪いこと、という思い込みを持っています。

 しかし、それはビジネスの世界では間違いです。適正な利益を得ることは、ビジネスを継続し、より多くの方に価値を提供し続けるために必要不可欠です。

 例えば、パン屋さんを考えてみましょう。
 おいしいパンを作り続けるためには、質の良い材料を仕入れ、設備を整え、スタッフに給料を支払う必要があります。これらは全て、お客様により良い価値を提供するために必要なコストです。

 きちんと利益を確保することで、サービスの質を向上させ、より多くのお客様に喜んでいただけるのです。

持続可能なビジネスの実現

 ビジネスは、お客様も、提供者も、関わる全ての人が幸せになれる仕組みであるべきです。

 私がコンサルティングする際に必ず確認するのは以下の3点です。

  1. お客様に本当の価値を提供できているか
  2. 適正な対価を得られているか
  3. 提供者自身が心から楽しめているか

 この3つのバランスが取れていないビジネスは、長続きしません。

 一見、売上は上がっているように見えても、提供者が疲弊していては続きません。逆に、提供者は楽しくても、お客様に価値が届いていなければ、それはビジネスとは呼べません。

 真のビジネスとは、価値提供を通じて、関わる全ての人が幸せになれる営みなのです。

おわりに

 いかがでしたでしょうか?
 ビジネスの本質は「価値提供による共創」にあります。まずはお客様の本当のニーズに耳を傾け、どのような価値が提供できるかを考えることから始めてみませんか?

 次回は、具体的な価値提供の方法について、事例を交えながらご紹介したいと思います。