言語の限界【DAY70】

※この歴史編纂はLiberという国を☆、♧、〇の3人で立ち上げてからの軌跡を記したものである。詳しくはLiber用語及び中の人たちを参照。

 2021年7月某日、第3回国家戦略会議「ユグドラシル」開催。テーマは言語は便利だが、不自由だという話へ。

☆「(言葉は便利だけど、不自由なのはわかった)じゃあ、どうする?」

♧「あ?何?(言いたいことを)表すのにってこと?」

☆「ううん(違う)。ほら、あの、国には言葉があるから。」

♧「うん、そうね。」

☆「何語で。」

♧「どうすれば良い?って…。」

☆「新しい言語、作る?」

♧「いや、日本人が3人ここにいて、あえて言語を作る必要はないと思う。ただ、意思の疎通を図るにあたって、よりはっきりと、より細かく、分かりあうための言語ってないと思う。わかる?」

☆「わらかるよ(笑)そりゃ、一番、手っ取り早いのは、日本語だねってなるよね(笑)」

♧「だって、大体が伝わるわけじゃん、俺らが言いたいことはさ。」

☆「(笑)」

♧「ただ、それは、別に、日本人だからとかじゃなく、無理だと思うよ、伝わるのって。(言葉によって伝わるのが)9割か、8割か、5割か、2割かはわからないけど。」

☆「つまりさ、さっきまで、散々、アニメの話をしてたじゃん?」

♧「うん。」

☆「そこから読み取ろうよっていう。」

♧「え?読み取ろうってどういうこと?」

☆「何を言いたいか(を読み取ろうよってこと)。」

♧「何を言いたいか?」

☆「そうそうそう。」

♧「読み取ろうっていったって、読み取る側と、伝たい側で、絶対、差は出るぜ?」

☆「それは、言語において、最大の課題だね。」

♧「それは本当にそう。感性って人によって違うから、例えば、今後、俺と☆の脳が繋がるとするじゃん、有線みたいなもので。すごい簡単な話よ?俺が泣きそうってなったら、☆も泣きそうってなるとするじゃん?」

☆「うん。」

♧「そんな風に繋がったとしても、同じ感覚って得られないと思うよ?…、それって、たぶん、得られないっていうか、得ちゃいけないものだと思うけどな。」

☆「…ということは?」

♧「だから、簡単に言うと、俺の悲しいと☆の悲しいは、もちろん違うし。」

☆「それはわかってる。ということは?」

♧「ということは、そういうものだって思って使うしかないんだよ、言葉は。うん。例えば、それこそ、解明されてないような画期的な言葉で、うちら3人にしか通じないような言語を開発しても、そこ(言葉の不自由さ)は埋まらないと思うだよね。」

☆「なるほど。」

♧「日本語をベースにした象形文字とか、何でも良いよ、これ(新しく作った言語)がLiber語ですってなっても、自己満足しかいかない。Liber語で言った楽しいとか、悲しいとかも、本質的な意味は感じる側が全員、違うから。」

☆「国っぽくない?」

♧「いや、国っぽいけど。言ってることは国っぽいんだけどね。」

☆「国っぽいねぇ。」

♧「いや、だから、言語って、国のアイデンティティとか自分たちの種族を証明するためだけに使われてるから。」

☆「いいねー!」

♧「いや、いいね、じゃないよ。」

☆「それ、いいねー!独立したっぽいじゃん!」

♧「いや、独立した言語を使えたって、俺たち3人しか使えなかったら、何もないぜ?」

☆「最高じゃん!」

♧「いや、お前、その時は、最高だって思うかもしれないけど、言語を開発するって、並大抵じゃないよ?新しい言語が生まれないって、そういうことだよ?あるもの使った方が楽なんだもん。」

☆「すげぇ、国っぽいじゃん、それ!」

♧「簡単に言えば国っぽいけどさ。」

☆「だって、ほら、国っぽいことしないと、国っぽくないじゃん。」

♧「いや、でも、他民族にわからない、うちらの言語を作ればそれで良いって問題でもねぇんだよ。」

☆「えぇー、そういう問題じゃねぇの?」

♧「いや、だって、そういう問題じゃなくない?」

☆「なんで?なんで?」

♧「なんでって。うちらが国の中で全てを完結して、全てを賄って、どこの国とも交流することなく、どこの民族とも交流することなく、全てを完結して、何て言うのかな?全てを完結できる独立国家って、今、ないからさ。」

 感覚を言語ですべて伝えることができないのは、いろいろなところで不便さを感じる。
例えば、何か技術を習得する際にも、その「できる」という体感覚をそのままトレースできれば楽なのにと思うことがあるし、コミュニケーションの場面では言わずもがなだろう。

 とはいえ、感覚自体はその人の個性であるから、それを共有するようになると、個でいる意味もなくなるだろう。だから、♧の言っている意味と同じかはわからないが、感覚を直で伝えることはない方が良いのかもしれないとは思う。

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